顔料を乾性油で練ったもの。接着成分となる油の性質が油絵の具の性質となる。 ぼかしの作りやすさ、深みのある色彩を生かし、生々しい写実表現ができる。 描いたときと、乾燥後の色の違いが少ないので、微妙な色が調整しやすい。
油絵の具は酸化重合により固まるので、ドライヤーでは乾かない。 しかし、気温が暖かいほうが酸化が早く進むので、いくらか早く固まる。
油絵の具であれば、どのメーカーの絵の具でも混合して使える。 色名が同じなら、ほぼ同じ色であることが多いが、全然違う場合もあるので、色見本で確認する。 1メーカーで100色以上あるし、似ていてもけっこう性質の違う色があるので、茶色、こげ茶とかではなく バーントシェンナ、バーントアンバーとかいう名前で覚えたほうがいい。
きれいで永く変色しない土や石の粉などが、顔料として使われる。 古くからの顔料は土や石の粉末であり、新しいものは石油系の有機化学物質である。 一般に鉱物性の顔料は落ち着いた上品な色、有機顔料は派手で鮮やかな色に発色する。 写実的に描きたいときは、あまり派手過ぎるとリアルさが出ないので、鉱物性のものが使いやすい。 原色のまま使うと、派手すぎてきつくなりやすい。 |
選ぶポイントは、毛の質、毛の長さ、毛の量、筆のつくりなど。 安い平筆の中には、毛の量が少なく薄っぺらい筆もある。 小さい筆ばかり使えば、細かい絵になりやすいし、大きな筆ばかり使えば、ざっくりした絵になりやすい。 どんな筆を使うかで、出来上がる絵も変わるのだが、結局は、自分にとってどの筆が一番使いやすいか うまくいったかを考えて選ぶしかない。 筆により使い心地もかなり違うので、上手くいかないときは筆のせいにしてみてもいい。
白く硬い毛で、油絵セットにも入っている。 硬く重い油絵の具を塗りつけるのに欠かせない。 豚毛の毛先を使ったものが上等で、毛元を使った安いものとは使いやすさが違う。 毛先を使ったものは毛が先へと自然に細く、毛元を使ったものは切り詰めたようになっている。 少し高価だがナムラ製の豚毛筆はとても使いやすい。 ごしごし描くには、安いもので十分。
いたち、てん、コリンスキーの毛。柔らかい毛の筆。 高価だが、コシがありとても使いやすい。 細いものは、サインを書くのにも使う。丁寧に洗って使うと長持ちする。 アクリル絵の具に使うと、アルカリ性にやられて毛が縮れてしまうので注意する。
新品の時はいい感触で、とても使いやすい。使ううちに毛が傷んで毛先がカールしてしまう。 アクリル絵の具にはセーブルの代わりに使う。
セーブルと豚毛の中間の硬さ。しっかりしていて使いやすい。
ぼかし筆。この筆だけでぼかしを作るというよりも、セーブル筆 などで丁寧にぼかしを作った後、筆跡を消す程度に使う。
金具がゆるむと筆がカクカク揺れて、とても描きにくい。ペンチで締めてもすぐゆるむ。 ギュッと金具に軸を押し込んでから、金具との隙間に瞬間接着剤を染み込ますようにして固めるといい。 |
刃と軸の角度により使いやすいものと、使いにくいものがある。 使っていると、刃が削れて鋭くなる。 危ないので、たまにやすりなどで刃を取る。 大、中、小、と三種類くらいあるといい。
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桜などの板を使う。 折りたたみのものは、内側が使用面。 白く塗って、色が判りやすくしたものもある。 絵の具は、ばらばらに並べずに同じ色を近くに並べる。
重ねられた白い紙のシートをめくりながら、使い捨てで使用する。 毎日描かないのなら、どうせ残った絵の具は捨てるので、これが便利。 グレーのものがあり、色が見やすい。
木製のパレットに、グレーのカッティングシートを貼って、作ってみた。 使ってみると、とても色の調節がしやすい。 白絵の具の加減や、色の透明度、色相、彩度がとても判りやすい。 白いパレットより優秀だと思う。おすすめ。
大理石やガラス板などもパレットに使える。置いて使うパレット。 ガラス板の下には、白い紙をひいて使う。グレーの紙でもいいかも。 |
調合済みオイル。基本的には、これで十分。3種類以上の油が調合されている。配合はメーカーによる。 自分で調合する場合は、描き始めはさらっとしたもの、描き進めるほど徐々に濃いものにするのが基本。
調合用のオイル。さらさらした乾くと消える揮発油。 言わば、うすめ液なので接着力がなく、これだけで描くと、あとで絵の具がはがれる。 ぺトロールだけで描いて、二年も経たないうちに、絵の具がボロボロにはがれた絵を見たことがある。
調合用のとろっとしたオイル。乾くと固まる油。接着成分。 リンシードは少し黄変するが堅牢。ポピーは黄変はしないが、しわなどの危険が多い。
調合用の乾燥促進剤。絵の具の酸化重合を促進する触媒。 油壺に二、三滴入れても効果がある。入れすぎは厳禁、全量の10%以下にする。
・ ニス ワニス バニッシュ などの呼び名がある。樹脂を溶剤で溶かしたもの。溶剤の揮発で硬化する。 ・
溶き油を厚く塗ってつやを出そうとすると、しわが寄るなど問題が多いので、画面のつやは、ニスで調整する。
制作中の絵が乾き、画面のつやが消えると、暗い色が白っぽく見えて続きが描きにくくなる。 このときルツーセで画面のつやを一時的に復活させ、新しい絵の具とのつやの差を無くし描きやすくする。 樹脂成分は少なく調合されているが、接着の点からも、うすく塗るようにする。
溶き油の代わりに使うか、または溶き油に混ぜて使う。深みとつやのある画面が出来る。 絵の具に混ぜて使うと、つやが出るが、べたついて少し描きにくくなる。
完成した絵に塗る仕上げ用ニス。 画面のつや出しと、有害ガスからの画面の保護のために塗る。(つや消し、半つやタイプもある) 油絵の具の乾燥は非常にゆっくり進むので、半年以上の乾燥の後に塗るのが理想的。 特に厚塗りでないなら、2〜3ヶ月で塗っても大丈夫。
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絵の具に混ぜて使う補助材。透明な絵の具のようなもので、たくさん混ぜても特に問題はない。
乾きが速くなる。
絵の具を極端に盛り上げたい時混ぜると、乾きを速くし丈夫にする。
ゼリー状のもので、絵の具に透明感を与える。 |
麻地の布に油彩用の下地を施したもの。安いものは折り糸にだまが多く、下地もしなやかさに欠ける。
いい布は確かに描きやすい。描く前に下塗りを一層以上しておくと、高級キャンバスに近くなる。
シナベニアなどに下地を作り、描くことが出来る。金属板にも描ける。
そのうち油焼けして紙が朽ちるかもしれないが、厚い紙なら結構持つ。
キャンバスとは違う独特の絵肌の魅力がある。
簡単な作り方は、厚めの合板を好きな形に切って、キャンバス布を直に木工用ボンドで貼れば完成。
普通の揮発油の筆洗でなく、界面活性剤の筆洗液。 きれいに絵の具が落ち、一度固まった絵の具も時間をかければ溶かせる。 界面活性剤なので、洗った後水ですすぐ必要がある。だから、描画の途中では 使えない。 私は筆は描画中は洗わず、片付け時にこれだけでまとめて筆洗いをしている。 匂いも無いし、根元に絵の具が残ったりしないので、いつでも筆がきれいで快適だ。
カチカチに固まった絵の具も溶かす強力な剥離剤。 ストリッパーや、ホルベックスはどんな固まった絵の具も、短時間で分解する。 手につくとピリピリしみて、ひどいと火傷のようになるので気をつける。手に付いたら、すぐ水道で洗う。
固まった筆も再生出来るが、きつい薬品の割りにはそれほど筆の毛は痛まない。
パレット掃除用ということだが、あまり使わない。 パレットの掃除にはペインティングナイフの方が使いやすい。
油絵では下描きに使う。 下描きをフキサティーフで定着してから、油絵の具で描く。
木炭やパステルなど、粉っぽい画材を定着する樹脂のスプレー。 霧吹きで吹き付けるタイプの液体のものも売っている。 絵の具の定着に影響があるので、油絵の下描きには、かけ過ぎないように気を付ける。
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色の透明度が高く、塗り重ねると下の色が透けてみえる。 色の濃淡は、水の薄め加減で調節する。 真っ白にしたい部分は、何も塗らず紙の白を残して表現すると美しい。
不透明なので、下の色を覆い隠すことが出来る。 暗い色の上に明るい色を塗ることが出来る。当然、薄めに使えば、透明水彩に近くなる。 ポスターカラー、児童用絵の具は不透明水彩のなかまである。
水彩には様々な筆が使える。最上質のものはセーブル筆や、りすの毛のもの。 腰が強く、水を含ませると穂先がそろうものが使いやすい。
水彩画で発色に一番影響があるのが、紙の種類。 どんな紙にでも描けるが、水彩専用につくられた紙が描きやすく、発色もよい。 ・ 紙の表裏 ふつう、ざらざらしたほうが表。透かしの入った紙は、透かしの正しく読めるほうが表。
中くらい以上の厚みが良い。あまり薄いと紙の裏が透けて、少し発色が落ちる。 薄い紙に描いた場合は、額に入れる際、絵の裏に白い紙を一枚挟むと発色が良く見える。
プラスチックのものは軽くていい。 金属製のものは、白がはっきりして色が見やすい。
何でも良いが、常にきれいな水を使うこと。 水彩絵の具はにごりやすいので、パレット、水はきれいにしておく。 花など鮮やかな色を出したい時は、反対色が混ざらないよう気をつける。 右は、スケッチ用蛇腹の水入れ。
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水で溶け、乾くと耐水性で保存性もいい。発色は明るくさわやか。 厚塗りすると油絵に近いし、水で薄めて塗ると水彩のようになる。 その中間の性質を持つ別の絵の具と考えると、理解しやすい。
長く使わない色は密封しておかないと、いつの間にかチューブごと固まっている。 ふたを下にして立てて保存すると少しまし。
アクリル用として売っているのはナイロン毛。
アクリルで使うとバシバシになるが、もともと毛が硬いので影響は無い。
錆びないタイプのものがいい。
アクリルの白色の下地材。アクリル絵の具を混合し着色することもできる。 黒ジェッソ、カラージェッソも売っている。
透明メディウム。絵の具に混ぜると、透明感が増す。
盛り上げ材。単独または絵の具と混ぜて、画面を盛り上げる。 特に厚く盛り上げるときは、補強にジェルメディウムを同量混ぜる。
液状のつや出しメディウム。透明感も出る。
絵の具の練りを硬くするメディウム。軟らかいアクリル絵の具を少し硬くし、色を乾いた後の色に近くする。 絵を明るく描き起こすときに混ぜると、油絵の感触に近くなり描きやすい。
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三菱ユニで十分だと思う。ハイユニというもう一段上級品が あるが違いは少ない。トンボ、ステッドラー、ダーウェントなど の絵画用鉛筆であれば滑らかで描きやすい。 青いステッドラーは少し硬め。
柔らかくて紙を傷めない。
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